江南こうなん戦役】

 天子戦地に入りて  帝軍湖水こすいに潜む
 水神の怒り  天地を震わし暁闇ぎょうあんを裂く
 帝陣は崩落し  猛者は溺れる
 天帝の加護  天子に賜れり
 江南の城砦じょうさい  未だ破れることあたわず
 誇らしき凱歌の響き  水高くして天をかっ
 瑞兆ずいちょうの鳥は啼きて  蛟龍こうりゅうは天に還らん






天主てんしゅ革命】
 
 英国との戦争により、清朝の弱体化と政治腐敗は国民の知るところとなった。
 これを打倒するべく華南を始めとする大陸各地で、叛乱活動が勃発する。
 その中から、皇明こうみん族出身のファン 天燦ティエンシャンを指導者とした秘密結社が揚子江ようすこうを中心に革命的活動を展開、徐々に勢力を広げ始めた。大陸移民である皇明族を組織の中枢に置いたこの団体は、高度な科学技術を駆使して、制圧に乗り出した清軍を圧倒、一八七一年に清朝を滅ぼし、新たな政権を築いた。
 (中略)度重なる内部抗争や内戦に乗じて、勢力を伸ばし始めた軍閥一族により、煌家を中心とした革命軍の大陸統一は先送りにされる。中でも勢力のあった四つの軍閥一門はシュワンフェンロンフー家と呼ばれ、現在の元老宗主家げんろうそうしゅけの前身となった(→二八七ページ参照)。 
              
(白倫館はくりんかん 高校大陸史 教科書一部抜粋)






【蛟蛇】
 こうだ。みずちのこと。
 想像上の生物であり、龍の一種。蛇に似て躰がよじれ、四足を持つ。水を好み、大水を起こすという。